こんにゃくの主な成分はこんにゃくマンナンといわれる食物繊維です。
この食物繊維は、人体に含まれる消化酵素では分解されないので、胃や小腸では消化しないものなんです。だから、人間の栄養にはなりません。直接人間の栄養にはなりませんが、人間の腸の中に住んでいる腸内細菌(善玉菌)の栄養にはなるんです。
だから、こんにゃくを食べると、腸の中で細菌たちが活発に活動して、腸内のバランスを整えたり、腸の動きがよくなるんです。
腸の動きがよくなると、腸の中にたまっていて、なかなか外に出されなかった有害な発ガン物質などのようなものが、みんな便になってだされちゃうんです!
結果的に大腸がんの発生を防ぐことにもなります。便秘にも効果的です。
だから、昔からこんにゃくは「お腹の砂下し」とか「胃腸のほうき」なんて言われるんですね。
すき焼きに必ず糸こんにゃくが入るのも、栄養の取りすぎを防ぐ、日本人の智恵なのかもしれません。
こんにゃくは100gあたり5~7kcalの超低カロリー食品です。
こんにゃくを食べても便中にこんにゃくの形は残っていません。実は100種100兆個といわれる腸内の微生物がこんにゃくを分解して、自分の栄養素として利用しているからです。その代わり短鎖脂肪酸という酢酸、プロピオン酸、酪酸等の酸を生産する。これらの酸は人間の体に大変有用で、エネルギーになったり、余分なコレステロールを減らしたり大切な作用をします。つまりこんにゃくも少しはエネルギーになるわけです。
欧米に比べ、日本や東南アジアでは痔に悩む人が多いといわれています。そのため食べ物との関係も研究されています。予防としては、適度な運動と腹八分の食事、ストレスのない生活がポイントですが、日ごろからこんにゃくのような高繊維食物で便通を整えておくことは、何よりも痔疾の予防に効果的です。
口: こんにゃくを良くかむ事で唾液の分泌を高めたり、歯を綺麗にする。
胃: 胃の中に入ったこんにゃくは胃で消化されずにとどまり、胃液の分泌を促進し、胃を活発化させます。そして程よい満腹感をもたらします
腸: 腸、特に大腸でこんにゃくは腸壁を刺激し、蠕動(ぜんどう)運動を盛んにします。そして、有効な整腸効果をもつ腸内細菌を増やし、さわやかなお通じをもたらします。